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旭川荘は、創設以来色々な 国際化社会への対応を実施 してきました。そのひとつは、 海外研修生・海外視察団の積極的な受け入れ です。

また、 必要に応じてフォーラムを企画、実施 し、広く情報の提供を図ってきました。1980年代は「ノーマリゼーション」の提唱者、デンマークのバンク・ミケルセン氏を招いての講演会。フランスのラルシュ共同体の指導者ジャン・バニエ氏の招聘。オーゼ・オレセンデンマーク厚生大臣を招いて、デンマークの福祉事情の講演会など、いずれも偉大な指導者から我々福祉関係者は大きな示唆を得ました。




旭川荘創立30周年を記念 する行事のひとつとして、フランスから ジャン・バニエ氏 を招き、当時の ノートルダム清心女子大学 学長 渡辺和子先生 の通訳の労を得て、昭和62(1987)年6月15日、三木記念ホールにおいて、講演会が開催された。



ジャン・バニエ氏は、昭和39(1964)年、フランス・パリ郊外に ラルシュを設立 され、ラルシュ指導者として活躍中である。

ラルシュとは 共同体であり、障害者、健常者が共に生活し、祈り、労働し、苦しみ、喜びを分かち合い、人間的に精神的に成長することを目的としている。その精神は、20ヶ国100以上の共同体を作るまでに広がっている。

「ラルシュ共同体は、我々の時代の要求に応えるものです。それは小さな種子ですが、やがて成長し、世界中に豊な実りをもたらすでしょう・・・。」 氏の話に、ホールを埋め尽くした聴衆は感動し、時間を忘れて引き込まれた。



オーゼ・オレセンデンマーク厚生大臣を招き、昭和63(1988)年9月5日、まきび会館(岡山市)を会場にセミナーが開催された。

「デンマークの社会福祉制度の方向」と題して、老人・障害者問題を中心に厚生大臣オーゼ・オレセン女史から講演があり、その後デンマークの3人の専門家より、「老人福祉の課題」「福祉機器開発の現状と課題」「日本とデンマークの福祉」と題し、デンマークがいかにして世界有数の福祉国家になり得たかなど具体的な話があった。

以上、4人の方々の講演内容は、21世紀に向けて今後、我々が築かねばならない日本の高齢者と障害者の福祉社会について、大きな示唆となる内容であった。



平成12(2000)年5月18日、上海市の栄誉市民である江草安彦理事長に、上海市盧湾区人民政府より、盧湾区社会福祉事業顧問の聘書が授与された。

盧湾区には平成10(1998)年11月の「旭川荘日中医療福祉研修センター」開設にあたり、建物の提供など多くの尽力をいただいている。また、研修生の派遣、このセンターを利用しての講演会など、さまざまな交流が行われている。

当日、顧問就任を記念して「心のバリアフリー・情報のバリアフリー・物のバリアフリー」について、盧湾区の幹部職員に記念講演が行われた。












平成8(1996)年7月26日(於旭川荘療育センター児童院)および、平成11(1999)年1月25日(於川崎医療福祉大学)の2回にわたり、米国ニューヨーク州コミュニティ高齢化発達障害インテグレーションプロジェクトの主任研究員であるマシュー・ピーター・ジャニッキ氏を招き、「高齢知的障害者のQOLと地域ケア」について、講演会が行われた。

米国のみならず世界各国の知的障害者における高齢化の状況をしめし、保健、医療、福祉の連携による統合的なサービスにもとずいた、知的障害者の地域生活を推進するシステムの必要性が提唱された。





日本発達障害学会、旭川荘、川崎医療福祉大学主催による 「日本発達障害学会弟35回研究大会」 (末光茂実行委員長)が、平成12(2000)年7月15日・16日に川崎医療福祉大学で開かれた際には、サウスオーストラリア・フリンダース大学の ロイ・ブラウン教授「Changing Service Direction for People with Intellectual Disabilities」 と題し、特別講演をされ、全国から560人余りが参会し、充実した大会とすることができた。